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池原自悠区
 合併問題を簡単に考える
  • 吉野市に?
     池原のある下北山村も、吉野郡八町村合併協議会(下北山村以外の参加自治体は吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、上北山村、東吉野村)に加盟して、合併についての検討・協議を始めた。村は反対だったんじゃないの?
     専門知識もなく、一般知識もない僕が気軽に、もとい簡単に考えてみた。

  • なぜに合併?
     これまでにも度々市町村合併というのは行われていて、明治21年末には約71,300あった町村数は、平成14年3月時点で約3,200にまで減少している。かなり減ったと思うが、今またなぜ国は合併を求めているのだろうか。ねぇ?
     言われているのは、国と地方の債務が700兆円にもなってしまったので、国が地方に配分する地方交付税、つまり補助金を少なくしたいためということらしい。各自治体に配らなければいけないから、自治体数が少ないほど良い、というわけ。考えてみれば、700兆円借金してても、別段困ったことが起きているふうにも感じないし、それだけ借金できると言うことは、一方で、それだけお金持ってる人がいるということでしょ。いいじゃん、別に。持ってる人が持ってない人に分け与えるのは当たり前だし、他人に貸す金があるくらいなら、くれてやれ!というのは僕の考えだから。国は最初から、借りるんじゃなく、もらえば良かったんだな。
     他には、地方分権の推進とか行政サービスの広域化とか言ってるようだけど、それは付け足しのようなもので、やっぱり根本は財政の悪化であろう。

  • 合併して良いこと、困ること
     良いことは、別段無い。窓口や施設が増えるって言うけど、合理的にするのだから減らす場合もあるだろうし、広域的になるって言うことは、遠くなると言うことだから。総合力がアップするということは、サービスが薄まるというのと同義のようにも思えるし。 行政運営が効率的になるということは言えるかも知れないが、それも裏腹で、サービスを省略したりして利用者が不便になることもあるかもしれない。良いことを論ずるつもりが、すべて困ることになってしまった。
     他に困ることは、中心部だけが良くなり、地方部は疎かにされるということと、受け継がれてきた村などの名前が無くなるというアイデンティティの問題がある。

  • 合併しなかったらどうなるのか
     どうなるの? ん、池原・下北山村に関して言えば、別にすぐには困らないようだ。学校や福祉・公共施設を運営するのに、村の財源だけでは足りない分を国の地方交付税で補うわけだが、これを国は減らすと言ってるらしい。どれだけ減らすのかはまだ誰も分かっていない。なんのこっちゃ。
     電源開発(株)からの税金、つまりダムのおかげで池原・下北山村は他の村よりは格段に収入が多い。それでも、他の村と同じように公共工事などに伴う借金があるから、返済をしていかなければならない。しかし、地方交付税がどの程度減額されるのか分からない現時点でははっきりしたことは言えないけど、何とかなるんじゃないかと思う。 ただ、下北山村もダムがあってこそである。ダムが無くなれば税金も入ってこない。この先もずっとダムがあるとは限らないではないか。

  • それじゃあ、どっちが良い?
     どっちでも良い。ホント、別にどっちでも変わらないと思うよ、僕は。
     合併すれば過疎化が進むという意見もあるようだけど、してもしなくても過疎化は変わらないと思う。急に進むという要因も考えられないし、鈍化、あるいは止まる要因もない。過疎化というのは、もっと別なところに原因がある。中心部が栄え、地方が廃れるということについては、その通りだと思うけど、どっちみちダメなものはダメなんだから。役所が遠くなるというのは、今でも免許更新やパスポートとかは遠いから。役所に関しては、今の役場がたぶん出張所として残るだろうから、普段のサービスはこれまで通りで差し支えないと思う。
     村の名前が消えるということについても、別段感慨は無いし、何より下北山という地名は残ると思う。当然、池原も。仮に吉野八町村と合併しても、吉野郡下北山村池原が、吉野市下北山町池原になるだけだと思う。吉野の名前が消えて、さわやか市など、いわれのないものになったら嫌だけどね。過去、北山郷池原村だったのが下北山村池原になった例もあるのだし、地名が変遷するのは仕方のないことだと思う。僕はそこにアイデンティティを求めない。
     下北山のアイデンティティは別に残るんじゃないかな。同じ吉野と言っても、広域過ぎて民俗が違いすぎる。今、吉野郡の中でも全然、互いに知らなかったりするし、つきあいもなかったりするわけだから、それが吉野市になったとしても、急に北山弁が大淀あたりの言葉になったりするわけがない。民俗についてもしかり。もし、吉野市になったとして、それで一体感が生まれるようなことがあっても、融合はゆるやかだと思う。百年単位ぐらいの。それでもちょっと考えられないなあ。
     次に、合併しなかったらどうかというと、それこそ何も変わらないと思うから全然構わない。郡から市になり損ねたという気は、ちょっとするかもしれないけど。合併しなかったら村が潰れるというのなら合併しかないけど、今のところそうでも無さそうだし。まあどっちみち、あまり明るい未来を思い描けないところが辛いよね。

  • 吉野郡八町村合併協議会の問題点
     東吉野村は吉野郡八町村合併協議会に後から加入した。東吉野村は当初、住民アンケートで宇陀郡の町村で構成する宇陀地区合併協議会を選んだ。生活圏を考えると宇陀の方と密着していて便利が良いからだ。しかし、仮に宇陀市になると地域的に吉野じゃなくなるから全国的なブランドである「吉野杉」を名乗れなくなるというので、地元林業の業者が白紙に戻すよう働きかけ、住民投票が行われた結果、吉野郡町村との合併にひっくり返ったという経緯がある。よその村のことなんだけど、それで良いのか?と思ってしまう。一般住民の真意はどうなんだと。それに、もし新しい市の名称が吉野市にならなかったら、何にもならないと思うが。また、東吉野が吉野市に入ることで、より広域化してしまい、余計に効率が悪くなってしまうことも危惧する。考え直した方が良いんじゃないかと、余計なことかも知れないが忠告したい。
     川上村は早々に、合併せずに単独で行くことを決めている。あそこは南朝時代から地域的に団結しているのかもしれないが、下北山と同じで、ダムのお金がたんと入ってくるからであろう。すでに完成している大迫ダム、それから近々に完成予定の大滝ダム、他にももう一つ計画があるという。しかし、ダムと引き替えに失ったものも大きい。きれいな渓流は無くなってしまった。それと、過去、大迫ダム建設時に地滑りが問題になったが、その問題を棚上げしたまま次の大滝ダムの建設に入ったため、現在、試験貯水を始めた段階で、同じように地滑りが起き、家屋などに亀裂が出た。元々、川上村周辺の土地はダムに向いていないという報告もあったそうだが。現在、地元住民と事業主との間で紛争が起こり、完成式典が延び延びになっている。なお、このダムの建設には工期に25年以上、総事業費に約3,200億円がかかっている。事業の主体は国土交通省だが、国の財政を悪化させているのは一体誰だ! ちょっと横道にそれた。
     十津川村も単独で行くことになっている。理由は知らないが、十津川村の住民は十津川郷士としての誇りが高く、結束が強いらしい。また、十津川村は日本一広い村だそうだが、観光事業では、かなり成果を上げているようだ。
     したがって、このままでいくと川上村、十津川村とも吉野郡として残り、それぞれ接していないことから飛び地になる。郡の自治はどうなる? 郡としては何もしていないから構わないのか。ただ、飛び地はややこしい。
     十津川はともかく、川上が吉野郡合併協議会に参加しないのは上北山村、下北山村にとっては痛手だ。なぜなら、事実上、上・下北山村は飛び地になるからだ。地図で見れば、上北山村と協議会に参加している天川村とは地続きだが、実際、行き来できる道がない。いや、あることはあるが、ほとんど山道という体で、通るのは命がけになる。危険だ。道は無いに等しい。とすると、北山から中心部に行くには違う自治体を通ることになり、その道を整備するにはこれまでと同じ、単独では進められない。国道ではあるが。それでなくても以前から、なぜか川上村の部分だけはなかなか良くならない。また、飛び地2村のために、中央部が予算を回すというのもあまり期待できないような気がする。川上村が加入すれば、もっと一体化できるのにと思う。

  • 別の道
     合併してもしなくても、どっちでもいいと書いた。また、どっちみち辛いとも書いた。といって、何も考えなくていいのだろうか。考えずにいて、悪い方に流れていくのをみすみす見過ごしてしまうのは耐え難い。ならば、どうすれば良いか、何が最善かを探すのは道理だと思う。
     とりあえず、吉野郡八町村合併協議会からの離脱を考えるべきだ。吉野市の中心部が大淀町になるとしたら、遠い。それに、川上村が参加しないのなら、下北山村にとってはメリットが薄い。まあ、他の町村とは民俗も違うし、協議会脱退は自然の流れ、いや必然であろう。吉野市との合併に、なったらなったで構わないけど、それは最善ではないと思うので、離脱を基本条件に、以下考える。

    1. 上北山村との合併
       まず、上北山村との合併だ。これまでも、上北山村とはゴミ処理場など、共同事業を行ってきている。上北山村との合併だけでは何にもならないと思うが、次へのステップ前に必要だと思う。
       下北山は他の村に比べ、収入が多いと書いた。しかしそれが、即裕福なことにはならない。 何を目安にするのが良いのかは正直分からないが、基金つまり積立金から、自主財源つまり各町村の負担額を引いたものを、その住民の人口で割ったもの、つまり住民一人当たり、いくら貯金があるかというデータがある。平成12年から13年の数字らしいが、吉野郡八町村合併協議会でいうと、吉野町は -32,000円、大淀町は +195,000円、下市町は -38,000円、黒滝村は +234,000円、天川村は +235,000円、上北山村は -82,000円で、下北山村は +428,000円ある。これだけ見ると下北山村は突出しているように思うし、逆に上北山村は落ち込んでいるように思う。僕は、下北山村だけが潤えばいいとは思わない。先に書いたが、有るところから無いところへ、という考え方だ。同じ北山郷として、上北山村も同レベルに上げたいと思う。 上北山村が吉野郡町村との合併を望むなら仕方ないが、できれば北山郷が一体になって、事に当たるのが良いと思う。

    2. 熊野市との合併
       合併と言われたとき、まず熊野市を念頭に置くのが自然だと思う。それなのに、なぜに生活圏の違う吉野郡町村を選んだのか。全く、どうかしてる。昔から、熊野との結びつきは強く、北山という地名でさえ、熊野側から見たネーミングであることは明白なのに。ウチの親父の話によると、以前に五郷、飛鳥、木ノ本などが合併して熊野市になった時、下北山も入らないか、というお誘いがあったらしい。時期尚早ということで、その時は断ったらしいけど、それぐらい熊野側の人も下北山を親密に感じてくれているようだ。桜まつりや夏まつりでも、熊野市からたくさんの人が来てくれているよね。どうしても合併しなければならないのなら、熊野市を相手先に選ぶのは至極当たり前のことだと思う。なぜに、議会はそんな当たり前のことに思い至らないのか。越境合併の場合、時間が掛かるから、国が設定したタイムリミットに間に合わないという思慮が働いたとしたら、ナンセンスだ。目先のお金よりも、大事なのはこの先ずっと、将来なんだから。

    3. 東京との合併
       どうせなら、東京と合併するのが良い。ただし、各種窓口はこっちに残しておいてもらわないと、わざわざ上京できない。 渋谷あたりと合併して、東京都渋谷区下北山町池原でも、東京都渋谷区池原町でも良い。東京になるのは何となくだけど良いなあと思う。東京も財政は厳しいらしいけど、切り捨てられるようなことはないだろう。池原は保養地にするか、実験都市として整備されるだろうから。池原は、東京の便利さと自然の豊かさを残した素晴らしい土地になるに違いない。 合併先の条件が国から設定されているのかどうか知らないが、別になければ、東京が良い。

    4. 池原独立
       下北山村が下手な選択をした場合、池原は下北山から離脱して独立しよう。単独で行くのもよし、有利な合併先を探すも良し。好きな道を選ぶのだ。池原は自由区。制度の上で、どこに所属させられようと池原は池原。これまでも、この先も。

  • 結局
     未定。
2003.8.19

下北山村の合併に関する、正確で詳細な情報は以下のサイトで入手して下さい。

  • 吉野郡八町村合併協議会 http://www.y-gappei.org/